小規模個人再生とは
そもそも,個人再生とは,債務が増えすぎて,債務全額を弁済することが困難ではあるが,一部であれば,弁済できるという場合,債務の一部を弁済して,残りの債務の支払い義務を免除してもらう手続をいいます。
個人再生には,2つの種類があり,ひとつが小規模個人再生,もうひとつが給与所得者等再生になります。
通常,個人再生といえば,小規模個人再生のことを意味するくらい,小規模個人再生が一般的に用いられており,給与所得者再生が例外的に用いられるというような関係になっております。
小規模個人再生のメリット(給与所得者等再生との比較)
個人再生自体のメリット・デメリットについては,メリット・デメリットでご確認をお願い致します。
小規模個人再生のメリットとして,債権者への弁済額が給与所得者等再生と比較して,低額になる可能性が高いという点が挙げられます。
すなわち,小規模個人再生では,弁済額の計算をするに際し,①債務基準,②財産基準という2つの基準を用いて,いずれか高い方が弁済額となります。
これに対し,給与所得者等再生では,弁済額の計算をするに際し,①債務基準,②財産基準は小規模個人再生と同様ですが,③可処分所得の2年分という第3の基準があり,いずれか高い方が弁済額となります。
このように給与所得者等再生では,小規模個人再生と同じ,①債務基準,②財産基準を用い,加えて,③可処分所得の2年分という基準を用いるため,給与所得者等再生では,小規模個人再生と同じ金額を支払うか,③可処分所得の2年分が①,及び②を上回る場合,小規模個人再生よりも高い金額を支払うということになります。
小規模個人再生のデメリット(給与所得者等再生との比較)
給与所得者等再生と比較した小規模個人再生のデメリットとして,個人再生手続き中,作成をした弁済計画案について,債権者へ提示をしたうえで意見聴取をし,不同意の意見が債権者数のうち過半数,又は債務総額の過半数を占める債権者の不同意があれば,計画案が否決されてしまうという点が挙げられます。
ただ,実務上,債権者から,個人再生の弁済計画案に対し,反対の意見を述べられることはほとんどないため,大部分の個人再生事件では,小規模個人再生という形で申立てが行われております。