履行可能性とは
履行可能性とは,個人再生手続上,弁済計画に基づいて算出された金額を原則3年間掛けて,返済をできる可能性を言います。
個人再生では,自己破産と異なり,債務の大幅圧縮を受けたうえで,債務総額の一部を支払っていくことになっております。
そのため,裁判所の判断において,支払っていくだけの経済力があるかどうかが判断の中心になっており,支払能力のことを履行可能性と呼んでいます。
履行可能性の判断
履行可能性の判断において,まずは,ご本人の収入があることが大前提になります。
<具体例1>
一人暮らしの方であれば,ご自身の手取り収入から,家賃,食費,水道光熱費,電話代,その他生活費を控除した後,個人再生で支払っていく金額を安定して捻出できるのであれば,履行可能性があると言えます。
<具体例2>
結婚をしているご主人の場合,ご自身の手取り収入から,家賃,あるいは住宅ローンを支払い,家族全員の生活費を控除した後,個人再生で支払っていく金額を安定して捻出できるのであれば,履行可能性があると言えます。
また,同居の奥様がパート,アルバイト等で働いている場合,ご主人の収入に,奥様の収入を加えて,履行可能性の判断を行うことになります。
<具体例3>
実家でご両親と同居されている場合,ご自身の手取り収入に加えて,ご両親が働いていれば,ご両親の収入,年金を受給されている場合,ご両親の年金を合計してから,家族全員の生活費を控除して,履行可能性の判断を行うことになります。
この際,同居の家族に収入があれば,給与明細や年金の受給証明書等の収入証明を提出して頂く必要があります。