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弁済額の計算方法

弁済額の計算方法

 個人再生手続での弁済額の計算方法として,債務総額を基準として弁済額を決める①債務基準,財産を合計して弁済額を決める②財産基準,収入から生活費,税金等を控除して算出した可処分所得を基準として弁済額を決める③可処分所得基準(可処分所得の2年分)の3つの基準があります。

 各基準で算出した金額のうち,金額が一番大きくなる基準で弁済額を決めることになります。

債務基準

 債務基準とは,住宅ローンを除く債務総額に対して,

<債務総額1500万円以下の場合>

 債務総額の2割を返済することになります。ただし,最低弁済額として,100万円を支払わないといけませんので,債務総額が500万円以下の場合,一律,100万円が弁済額となります。

<債務総額1500万円超,3000万円以下の場合>

 一律,300万円を返済することになります。

<債務総額3000万円超,5000万円以下の場合>

 債務総額の1割を返済することになります。

 個人再生では,住宅ローンを除く債務総額が5000万円以下でないと手続きの利用ができませんので,元金のみならず,利息,遅延損害金も含めて,5000万円を超えないかの確認が必要です。

財産基準

 財産基準とは,お持ちの財産を合計して,いくらになるのかという基準です。

 具体的には,預貯金,生命保険に加入している場合,生命保険の解約返戻金,ローンのない自動車があれば自動車の価値,勤続年数が5年を超える場合,現時点での自己都合の退職金額などを合計して,いくらになるのかを計算します。

 ただし,退職金について,実際に退職するわけではありませんので,退職金額を8で割った金額を現在価値と評価して計算を行います。

 また,住宅ローンを組んだ不動産をお持ちの場合,オーバーローン状態であれば,特に,財産基準に影響してきませんが,頭金をたくさん入れて不動産を購入しているような場合,住宅ローンの残債よりも,不動産の時価の方が高くなっていることがあり,その場合,ローンと時価との差額も財産として扱われます。

可処分所得基準(可処分所得の2年分)

 可処分所得基準とは,収入から,生活費,税金等を引いて計算をした可処分所得の2年分を弁済するという基準になります。

 ちなみに,可処分所得基準は,給与所得者等再生のみに用いられる基準であり,小規模個人再生では用いられることはありません。

 可処分所得を計算するにおいて,例えば,収入や税額については,実額を用いて計算を行いますが,生活費については,あらかじめ,家族の年齢,家族構成,居住地域等により,用いる数字が規定されております。そのため,具体的な可処分所得額をお知りになりたい場合,弁護士までご相談ください。

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